会話だけではなく、スピーチやプレゼンテーションなど、話の意図が伝わりませんよね?
以前、私は「結局、何が言いたいの?」とよく言われていました。
相手が分かりにくいと思って、説明すればするほど、「何を言いたいのか」分からないと言われていました。
抽象表現と具体表現の違いを知ることで、説明力や説得力を上げていく方法をお伝えします。
抽象表現が出来るようになってから、相手に説明が出来るようになり、分かりやすいと言ってもらえることが増えました。
抽象表現と具体表現の違いとは?
シンプルに言うと抽象表現とは「森を語ること」で、具体表現とは「木の枝葉」を語ることです。
<抽象表現>
- 宇宙
- 生命
- 植物
- 森
- 木
- 枝
- 葉
<具体表現>
上に行けば行くほど、抽象度が高まり、下に行けば行くほど、具体度が高まります。
ドラゴン桜では、「絵に書けること」と表現されていましたが、まさにその通りです。
具体表現のみの説明
(例)
「木が朽ちて腐れかかかっています。この木が腐ると新しい芽が出てきて、木が成長して、森はいき続けることができるのです。」
この説明を聞くと、「はぁ〜。何が言いたいの?」と思われてしまいます。
抽象表現から具体表現を組み合わせた説明
抽象表現の部分
(例)
「日本には縄文時代から続く原生林というものがあります。
この原生林はもののけ姫に出てくるような鬱蒼とした森です。
この森には、樹齢200年とか300年の命があります。」
具体表現の部分
(例)
「木が朽ちて腐れかかかっています。この木が腐ると新しい芽が出てきて、木が成長して、森は耐えることなく生き続けることができるのです。」
この2つの表現はどのように違うのか?
具体表現のみの場合は、唐突感がありますよね?
一方で、抽象表現から具体表現を入れると世界観がイメージされて、具体表現を入れると臨場感が湧いてきます。
抽象表現と具体表現を映像で例える
抽象表現とは世界観を語ること
抽象では、情景描写をしていきながら、世界観を語ることです。
情景描写とは
- 思想
- 場所
- 時代
- 天気
- 気温
- 時流
などです。
情景描写を語ることで、全体像を把握できて、相手が文脈をイメージしやすくなります。
映画やドラマでは、全体描写→部分描写をしていきます。
ハリウッド映画で、いきなり主人公が出てくるのではなく、街の風景や行き交う人々が移りますよね?
「アメリカだから資本主義で多民族国家だ。」
「タイムズスクエアがるから、ここはニューヨークだ。」
「ビジネスマンが忙しいそうに行き交っている」
「薄着だから夏かな?」
というイメージから登場人物が出てきても、物語の展開に入りやすくなります。
ブライダルビデオの撮影の仕事をしていたことがあるのですが、式場の外観や海の風景、そして、受付の女性のやりとりや新郎新婦が緊張して準備をしている、新郎新婦の親族の和やかな雰囲気などの風景を取ることで、世界観を伝えやすくなります。
いきなり、新婦とお父さんの入場シーンから始まると、「世界観」を掴めないのです。あなたが友人から受け取ったブライダルビデオを見ても、興味を持てずに「退屈〜」と停止ボタンを思わず押してしまうでしょう。
具体表現とは、物語の展開を見せることです。
物語の展開とは、
「会話のやりとり」
「登場人物の行動」
です。
映画やドラマでは、部分描写です。2人が会話しているシーンや表情のアップを交互にすることで、物語の展開を掴みすくなりますよね。
ブライダルビデオの撮影では、新婦とその父親の入場シーンや、感激した女性の招待者がハンカチを持って泣くシーンやウキウキの男性の招待者がスマホで写真を取るシーン、小さい子供の表情を撮っていました。
ご参考までにブライダルビデオで、女性が泣くシーンや子供の表情は、良い映像に仕上がる鉄板です。→めっちゃ大事。笑
なぜなら感情を表現するので、物語の展開に強弱をつけられるからです。
抽象表現と具体表現を交差するからこそ、臨場感が上がる
抽象表現だけでも「難しすぎて何を言っているのか分からない。」となりがちです。
あなたは哲学者なの?みたいな言い方をされます。
抽象表現だけを使う人、説明を「濁す」とも思われがちです。
会話の中の「抽象表現とは?」
会話での抽象表現とは、「全体像」や「世界観」、「文脈」、「背景」、「前提条件」などを語って行くことです。
欧米人は抽象表現に強い
欧米人は、抽象表現を好み、日本人は具体表現を好みます。
昔から民族間の対立があったために、契約の概念が強いです。
そのためには、お互いの世界観や文脈のすり合わせが必要で、お互いの土俵を一致する事が必要があったからです。
理由付けを考える小学生から始める「Why because訓練」
アメリカなどの小学生は、幼い頃から「Why because訓練」を教育されています。
「私はこう思う。なぜならば〜だからだ。」をひたすら授業内を問われています。
国籍や民族、言語、文化が違うので、主張とともに理由付けがなければ、相手は理解できないからです。
「私は中村アンが好きだ。」と言われても「そうなんですね〜。」で終わります。間違えて初対面の人に話をするとキモいとも思われます。
「私は中村アンが好きだ。なぜならば、彼女は演技は私の気持ちを鼓舞させるからだ。彼女の冷徹な表情を見れば見るほど、自分が尽くしたいという気持ちを引き出します。」
と言われると、なんとなく「なるほど、そういう考えもあるんだ。」と理解はしてもらえます。やっぱりこちらもキモいですね。
会話の中の「具体表現とは?」
会話での具体表現とは、「手順」や「時系列」、「主語と述語」、「展開」、「具体事例」などを語って行くことです。
今日からできる「抽象表現」と「具体表現」
それでは、実際にどのようにすれば、「抽象表現」と「具体表現」を上げていくことができるのでしょうか?
抽象度を上げるには「つまり」の問いかけ
「要するに」、「つまり」の問いかけを行うと、何を言いたいのか?を抽象表現につながっていきます。これらの言葉は、「言い換え能力」だからです。
説明に詰まったら、自分は「何を言いたいのだろうか?」を考えて、「つまり」、「要するに」を頭の中でつぶやくようにしましょう。
会話の中の「具体表現とは?」
具体度を上げるには、「実は」の問いかけ
「実は」、「例としては」の問いかけを行うと、臨場感が上がる具体表現につながっていきます。これらの言葉は、「置き換え能力」だからです。
打ち合わせをしても進まない時、または自分や相手が説明が下手で話が盛り上がらない時は話の中に「置き換え」だけに時間が使われていることが多いです。
人は一日でコミュニケーションは80%に費やしているとも言われています。
説明力や説得力がなければ、社会や会社からの評価も下がりますし、誤解やミスコミュニケーションにも繋がります。
あなたが真面目に生きていて人生で損をする「説明力」や「説得力」がないとお感じならこの記事も参考にしてください。